Beyondコロナを見据えて

 あおもり若者プロジェクトクリエイトは、2014年度から毎年開講してきた「クリエイトまち塾」を2022年度は休講とすることを2022年3月に決定しました。
 「まちづくりを通じた教育」を標榜する私たちにとって、基幹事業であるクリエイトまち塾を休むことには、正直、大きな葛藤がありました。しかし、コロナにより社会が大きく変化する中において、今一度、時間をかけて活動を見つめなおし、再定義することが必要だと考え、この決断に至りました。
 2020年初頭から猛威を振るっている新型コロナウイルスが、社会に多大な影響を与えたことは言うまでもありません。多くの従来の常識が過去のものとなってしまいました。
 とりわけ、対人コミュニケーションが憚られる事態となったことは、私たちの活動は大きな影響を受けました。一方で、オンラインツールが普及し、地方の高校生においても、オンラインでの会議や打ち合わせが抵抗なく行われるようになったことも、変化の一つといえます。
 社会の求める制約を受け、応急的にコミュニケーションの方法に配慮をしながら2020年度・2021年度と、クリエイトまち塾を実施してきましたが、その中身は、2014年度の事業開始当時のものから変容していたのは事実です。
 そのような状況に接し、コロナ禍を経た新しい社会を見据え、今一度、クリエイトまち塾がめざす社会の姿や、それに基づく、カリキュラムを一から考え直すべきではないだろうか、そう考え、一年間の議論の時間を頂戴した次第です。現在、昨年度までのスタッフが中心となって、関係者の皆さまからも随時フィードバックをいただきながら、新しいクリエイトまち塾について議論を進めています。
 まちづくりは、コミュニケーションによって成り立つと私たちは信じます。クリエイトまち塾において、商店主とのコミュニケーションを通じて、商店街はもとより、地域に対する理解と愛着を深め、県内で政策立案や実践に取り組む若者を多く目の当たりにしてきたからです。
 コミュニケーションが憚られ、失われた時期を経て、今、コミュニケーションの尊さが人々の骨身に沁みています。
 コロナ禍で失ってしまったものを取り戻し、コロナ禍で生まれた良い習慣やツールも活かした、新しいクリエイトまち塾が間もなくスタートします。
 地元高校生に限らず多くの皆さまに様々な形でご参加いただけるよう、スタッフ一同、お待ち申し上げております。


理事長 久保田 圭祐

代表プロフィール

久保田 圭祐

Keisuke Kubota

1992年、青森市出身。青森南高校、慶應義塾大学総合政策学部卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。修士(政策・メディア)。
大学院修了後、博報堂に入社し、広告営業に従事。2022年に退社後、国家公務員に転身し、現在は中央省庁で総合職職員として勤務。青森大学客員研究員。
青森県 活力と魅力あふれる東青地域づくり検討会議 部会委員(2011年度)
神奈川県藤沢市社会教育指導員(2016年~2017年度)
内閣府「子供・若者育成支援推進のための有識者会議」(2019年度~)